宅建(宅地建物取引士)の学習で、最後に合否を分けるのは**過去問をどれだけ「解き直したか」**です。

ただ、いざ始めようとすると「過去問はどこで手に入るのか」「無料でどこまで解けるのか」「何年分やれば足りるのか」で手が止まりがちです。

この記事では、過去問の入手先を無料・有料で整理したうえで、何年分を何周するか・どの分野から解くか・本試験までの残り期間でどう配分するかまでを一本の流れとしてまとめます。

2026年(令和8年度)の本試験は10月18日(日)13:00〜15:00に実施されます(登録講習修了者は13:10〜15:00)。日程の詳細は宅建試験の日程、申込手続きは申込方法のまとめをご覧ください。


宅建の過去問はどこで手に入る?

宅建の過去問は、主に4つの入手先があります。それぞれ「無料か」「解説が付くか」が違うため、目的で使い分けるのが前提です。

入手先費用解説向いている場面
試験実施機関の公式サイト無料なし(正解番号のみ)本番と同じ形式で通しで解く
無料の過去問サイト無料あり分野別・年度別に量をこなす
市販の過去問集2,000〜3,000円前後厚いつまずいた論点をじっくり潰す
学習アプリ無料〜有料あり通勤・家事の合間に短時間で回す

1. 試験実施機関の公式サイト(無料・解説なし)

宅建試験を実施している一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)の公式サイトでは、試験問題と正解番号が公開されています。

本番とまったく同じ体裁で解けるのが最大の利点です。一方で解説は付きません。そのため「実力を測る」用途には向きますが、「理解する」用途には別の教材が要ります。

※ 公開されている年度や掲載形式は変更されることがあります。利用前に公式サイトで最新の状態をご確認ください。

2. 無料の過去問サイト(無料・解説あり)

無料で解説まで読めるサイトを使えば、費用をかけずに分野別・年度別の演習ができます。代表的なのが過去問道場で、使い方は宅建 過去問道場の使い方ガイドで詳しくまとめています。

正答率が自動で記録されるため、どの分野が弱いのかが数字で見えるのが独学者には大きな利点です。

3. 市販の過去問集(有料・解説が厚い)

紙の過去問集は、解説の分量と法改正への対応で優位です。とくに権利関係のように理屈を追う必要がある分野は、紙で腰を据えて読むほうが定着しやすい面があります。教材の選び方は宅建のテキスト・問題集の選び方で解説しています。

4. 学習アプリ(スキマ時間向け)

机に向かう時間がまとまって取れない方は、アプリで1問ずつ進める方法もあります。1回数分でも、通勤・家事の合間に積み上がります。選び方は宅建の勉強アプリの選び方にまとめました。

公式サイトは「本番形式で測る」、無料サイトとアプリは「量を回す」、市販問題集は「理解を深める」。役割を分けて併用するのが最も効率的です。


過去問は何年分解けばいい?

結論から言うと、直近10年分を最低ラインとし、余裕があれば12〜15年分が一つの目安です。

宅建は出題範囲が安定しており、論点が繰り返し問われます。そのため年数を増やすほど新しい論点に出会う確率は下がり、ある時点から「解いた年数」より「解き直した回数」のほうが得点に効いてきます

学習期間の残り年数の目安重点
6ヶ月以上12〜15年分分野別で網羅してから年度別へ
3〜6ヶ月10年分宅建業法を優先して周回
3ヶ月未満5〜7年分宅建業法と法令上の制限に集中

※ 年数はあくまで目安です。同じ年数でも周回数で仕上がりは変わります。

古い年度は法改正で現在の正解と食い違う場合があるため、10年より前の問題を使うときは改正の有無を確認してください。

「過去問だけで受かるのか」という論点は宅建は過去問だけで受かる?で詳しく検証しています。

年数を追うより、10年分を3周するほうが得点は伸びます。広げるのは周回が終わってからで間に合います。


どの分野から解くか|宅建業法が最優先

過去問に取りかかる順番は、配点の大きい分野からが原則です。

宅建試験は全50問・四肢択一のマークシート方式で、分野ごとの問題数は次のとおりです。

出題分野問題数の目安目標正答数の目安
宅建業法20問前後18問前後
権利関係(民法など)14問前後8〜9問前後
法令上の制限8問前後6〜7問前後
税・その他8問前後5〜6問前後

※ 問題数・配点は年度により若干変動する場合があります。

分野別の問題数と目標正答数の目安(宅建・50問)

出典:本試験の出題構成をもとにした目安。合格基準点は年度により変動します。

宅建業法は全体の約4割を占めるうえ、出題パターンが比較的安定しています。過去問の効果が最も素直に返ってくる分野なので、最初に着手して最後まで維持するのが定石です。

一方、権利関係は範囲が広く難問も混ざります。満点を狙うと時間がいくらあっても足りないため、取れる論点だけを確実に取る割り切りが必要です。権利関係の攻め方は宅建の権利関係の勉強法にまとめています。

過去問は「宅建業法から始めて、権利関係は捨て問を決めて回す」。この順番だけで、同じ時間でも到達点が変わります。


過去問の回し方|3周で仕上げる設計

同じ10年分でも、1周目・2周目・3周目で目的を変えると定着が段違いになります。

1周目:正解を当てにいかない

わからない問題はすぐ解説を読んで構いません。ここでの目的は得点ではなく、論点の地図を作ることです。時間をかけて悩むより、テンポよく通すほうが効果があります。

2周目:間違えた問題だけを解く

1周目で間違えた問題、**および「合っていたが理由を説明できない問題」**に絞ります。この2つを分けずに放置すると、本番で崩れます。

3周目:年度別で通しで解く

本番と同じ50問を2時間で解きます。ここで初めて時間配分とマークミス対策を確認します。

宅建業法から解き始めて権利関係を後回しにするなど、解く順番も本番と同じ手順で固定しておくと当日迷いません。

「正答率が上がらない」と感じるときは、周回数ではなく間違えた理由の分類が足りていないことが多くあります。知識不足なのか、読み違いなのか、時間切れなのかを分けるだけで、次にやることが決まります。

1周目は地図作り、2周目は穴埋め、3周目は本番形式。目的を分けると、同じ問題でも得られるものが変わります。


本試験までの残り期間別|過去問の使い分け

2026年の本試験は10月18日です。残り期間によって、過去問の使い方は変わります。

残り期間過去問の位置づけ具体的にやること
3ヶ月以上インプットの確認役分野別に1周。テキストと往復する
2ヶ月前後学習の主役宅建業法を2周目へ。法令上の制限を追加
1ヶ月前後得点源の固定年度別で通し演習。時間配分を確定させる
2週間以内落とさない練習間違えた問題だけを反復。新しい教材を増やさない

直前期に新しい問題集へ手を出すと、やり残しの不安だけが増えて得点は伸びにくくなります。残り2週間を切ったら、触る教材を絞るほうが結果につながります

学習スケジュール全体の組み方は宅建の勉強法と学習スケジュール、必要な学習時間の目安は宅建の勉強時間で解説しています。

直前期にやることは「増やす」ではなく「絞る」。間違えた問題だけを反復するほうが、本番の得点は安定します。


過去問だけでは埋まらない部分

過去問は最重要ですが、それだけで完結はしません。次の2点は別途の対策が要ります

1つめは法改正です。 過去問の正解は出題当時の法令に基づいています。改正があった論点は、現在の正解が変わっている場合があります。市販の最新版問題集や、改正情報をまとめた教材で補ってください。

2つめは統計問題です。 毎年更新される数値が問われるため、過去問での対策ができません。直前期に最新の資料で押さえる必要があります。

※ 法改正・統計の内容は年度によって変わります。学習時点の最新情報を必ずご確認ください。

合格ラインそのものの考え方は宅建の難易度と合格率、独学で合格した方の実際の進め方は宅建に独学で受かった人のリアルが参考になります。

過去問で埋まらないのは「法改正」と「統計」の2つだけ。ここを別枠で用意しておけば、あとは過去問に集中できます。


よくある質問

Q. 宅建の過去問は無料だけで合格できますか?

A. 可能性はあります。試験実施機関の公式サイトと無料の過去問サイトを組み合わせれば、問題量そのものは十分に確保できます。ただし法改正への対応と体系的なインプットは手薄になりやすいため、テキストは1冊用意しておくと安全です。

Q. 過去問は何周すればいいですか?

A. 最低3周が目安です。ただし3周目は全問ではなく、間違えた問題と理由を説明できなかった問題に絞って構いません。周回数より、同じ問題を間違えなくなったかが基準になります。

Q. 一問一答と年度別の過去問はどちらを先にやるべきですか?

A. 一問一答(分野別)が先です。論点ごとに整理してから年度別に移るほうが、知識が結びつきやすくなります。年度別は本番形式の練習として、直前期に回すのが効率的です。

Q. 過去問のPDFをダウンロードして印刷したほうがいいですか?

A. 3周目の通し演習は、紙に印刷して本番と同じ形式で解くのがおすすめです。マークシートの塗り方や時間配分は、画面上の演習では再現しきれません。1・2周目は画面のままで問題ありません。

Q. 古い過去問は使わないほうがいいですか?

A. 10年より前の問題は法改正の影響を受けている可能性があります。使うこと自体は問題ありませんが、解説が最新の法令に対応しているかを確認してください。


まとめ

宅建の過去問について、押さえるべき点は次のとおりです。

  • 入手先は**公式サイト(無料・解説なし)/無料サイト(解説あり)/市販問題集(解説が厚い)/アプリ(スキマ時間)**の4つ。役割を分けて併用する
  • 年数は直近10年分が最低ライン。年数を広げるより、周回して解き直すほうが得点に効く
  • 解く順番は宅建業法から。全体の約4割を占め、過去問の効果が最も素直に返ってくる
  • 1周目は地図作り、2周目は穴埋め、3周目は本番形式と目的を分ける
  • 直前期は教材を絞る。過去問で埋まらないのは法改正と統計の2つだけ

過去問は「持っているか」ではなく「解き直したか」で差がつきます。まずは宅建業法の1年分から、今日始められる範囲で構いません。


あわせて読みたい